Photo: Kyodo
7月30日から広島市現代美術館にて、第8回ヒロシマ賞受賞記念 オノ・ヨーコ展「希望の路」が開催されています。
広島市は、世界の恒久平和と人類の繁栄を願う「ヒロシマの心」を美術を通して世界へ訴えることを目的とし、1989年に「ヒロシマ賞」を創設しました。現代美術館ではその第8回目の受賞者となったオノ・ヨーコの受賞記念展が開催中です。人類がその歴史のなかで体験した最大の悲劇のひとつを経験したヒロシマから、オノ・ヨーコは新しいメッセージを世界に向けて発信しています。
ヒロシマ賞とは?
http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/web/main/hiroshima_art_prize.html
オノ・ヨーコからのメッセージ
人類の叡智の力を信じましょう
1945年のヒロシマとナガサキの原爆の悲劇は、繰り返すことが許されない最大の悲劇でした。そして、66年後の今、原爆の暴力の犠牲になって苦しんでいる人たちが、まだまだ、たくさんいるのです。それほど、原爆が人類に与える被害は深刻なのです。
それが、この2011年3月11日に自然の力による大地震と大津波という形で、また原子力の悲劇が繰り返されています。
それでも日本は、すさまじい科学の発展とあなたをはじめ多くの人々の努力で完全な回復を行い、いつか必ず立ち直ってみせると信じています。広島、長崎の市民のみなさんが、原爆の悲劇を乗り越えて、強い人生を歩むことを選んだように、日本は世界にもまだないような環境問題を解決した新しい国を建設する叡智と勇気を持っていると思います。
この度の原発の悲劇は単に日本の問題ではなく、世界の国々――特に発展している国ほど日本と同じ問題を持っているのです。だから、私たち日本人が自分たちの力を信じて、新しい出発をするとともに、世界にもその力をおすそ分けする義務がある時になりました。
広島と長崎の市民が不屈の精神と叡智の力で深い悲しみと苦難を乗り越えてきたその力が世界に希望の光を与えるのです。
人類の最高の叡智は、私たちみんなが持っている超能力です。それは、いざという時に、意識の奥から出てくる叡智に輝く力で、念願だけで山を動かすこともできる凄い力です。
人類は今、その叡智の最高の力である超能力をひとりひとり引き出さなければならないときにきています。
そのことをヒロシマとナガサキから日本の若者に、そして、世界の人々に大至急思い出させる必要があります。そうして、お互いに超能力を最高に発揮して、一緒に世界を救いましょう。
どこの国にもなかったようなひどい原子力の災難に二度もさらされた私たち日本人が、その苦しい経験から得た叡智を使って、率先して希望の路を人類のために、地球の自然と動物のために、さらに大きく精神を飛躍させて歩むのです。
私の愛があなたの超能力を引き出す力になってくれることを祈って。
2011 年 夏
オノ・ヨーコ
広島平和都市記念碑で平和を祈るヨーコさん=7月29日
広島市現代美術館で開かれたヒロシマ賞授賞式の後に=7月29日
<作品解説>
とびら
THE DOORS
日常生活のなかで欠かせないとびら。この部屋ではいろいろな方向を指し示しながら、自ら生命を持ったかのように立って来館者を迎えます。
再建 ― また建てればいいんだ、いいんだ
SAIKEN - MATA TATEREBA IINDA, IINDA
3.11 の東日本大震災で崩壊した家の部材、家具などが置かれています。家の前で撮影した写真と、家の持ち主自身が描いた3.11 以前の家のスケッチが対比し展示されています。頭の中で家を再建するようにと、アーティストからメッセージが掲げられています。
ねがい
NEGAI
作家直筆の書。「七幸八宝を与え給え」ほか、平和への願い、ヒロシマそして日本への思いがしたためられています。
想い
Omoi
床のところどころにある水たまりが、小さな鏡のように人々の想いを映し出しています。
鶴
CRANES
展示室のいろいろな場所に白い折り鶴が置かれています。平和の象徴、祈りの象徴でもある鶴を足元に置くことで、私たちは戦争や暴力によって亡くなった人々の犠牲の上に今ここにあることを実感できるかもしれません。
本通り
HONDOHRI
商店街を行き交う人々の姿が映像に映し出されています。これは広島の中心にある本通商店街に設置されたカメラから送られてくるライブ映像です。廃墟から再生した現在の広島の街の様子を見ることができます。
HAKO
ブロンズの箱の中から血が滲みだしています。傍らには手書きのテキストが添えられており、人間の心の闇、苦しみ、恐怖の記憶を呼び覚ますような作品です。
見えない人たち
INVISIBLE PEOPLE
無数の透明なオブジェが暗闇の中に佇んでいます。その人型のオブジェが、一瞬、強い光を浴びて消えてしまったかのようにみえます。
影
KAGE
一瞬の強い光が、壁の前にいる観客や透明なオブジェの影を壁に焼き付けます。壁の上には被爆直後の広島の様子が描かれています。
カバー
COVER
整然と並んだ無数の毛布。覆われているのは遺体のようです。これまで一体どれだけ多くの人々がカバーされ、隠されてきたのでしょうか。
メッセージ
MESSAGES
「WAR IS OVER」、「IMAGINE PEACE」、「GIVE PEACE A CHANCE」と書かれた旗。これらの言葉は、アーティストがこれまで長い間行ってきた平和活動のために送り続けたメッセージです。双眼鏡を使って見てみると、その旗がどれも痛んでいることが分かります。
ウイッシュ・ツリー・フォー・ヒロシマ
WISH TREE for HIROSHIMA
展覧会を訪れた人々が「願い」を紙に書き、それを木に結び付ける参加型のアート作品です。人々の「願い」が書かれた紙は、アイスランドのヴィーズエイ島に建造された光の塔「イマジン・ピース・タワー」に届けられます。
マイ・マミー・イズ・ビューティフル
MY MOMMY IS BEAUTIFUL
観客が自分の母親への思いを紙に書いたり、写真を持ってきて貼ったりするための参加型の作品です。ひとりひとりが自分の母親について語ったものが、大きなこのひとつの壁に掲示され、世界中のすべての母親のために捧げられた作品となります。
Exhibit photos: Anne Terada, TetsuRo Hamada and Connor Monahan, © 2011 Yoko Ono
展示会場のPDFはこちら
第8回 ヒロシマ賞受賞記念 オノ・ヨーコ展 「希望の路」YOKO ONO 2011
会期 2011年7月30日(土)~10月16日(日)
開館時間 10:00~17:00
休館日 月曜日
※ただし9月19日、10月10日は開館、9月20日、10月11日は休館
観覧料 一般1,000(800) 円、大学生700(600) 円、高校生500(400) 円
※( )内は前売りおよび30名以上の団体料金
チケットぴあPコード:764-734
主催 広島市現代美術館、朝日新聞社
後援 広島県、広島市教育委員会、中国放送、広島テレビ、広島ホームテレビ、テレビ新広島、広島エフエム放送、尾道エフエム放送
展覧情報はこちら
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